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どんな会社でも、結果を出す人ほど、「報告上手」です。 この報告、じつは上司と部下の認識には大きなギャップがあります。部下のほうはきちんとしている「つもり」でも、上司や経営者の評価は厳しく、満足していない場合のほうがよほど多いのが現実です。 報告内容が不十分だったために、思わぬトラブルを引き起こすことがよくあります。ひどい場合は、会社に大きな損害を与えてしまうようなことも珍しくありません。 ★だから、新人であってもベテランであっても、報告の重要度はまったく同じです。 仕事はできるのだけれど、残念なことに、報告をサボりがちなビジネスパーソンは少なくなく、上司からすれば、どんなに仕事ができたとしても、やはり報告が遅れがちの部下というのは、非常に使いづらい存在です。 たとえば、スケジュールが遅れているにもかかわらず、「大丈夫です」という報告を続け、実際は期限の前の週になっても、まだ半分にも満たない状態。結局、遅れを挽回することができず、顧客の信頼を失ってしまったというケースは、けっして珍しいことではありません。 本人としてはなんとかスケジュール遅れが挽回できると思って「大丈夫です」という言葉を繰り返したのかもしれませんが、それで会社に損失を与えてしまったのでは、元も子もありません。 ★こうした轍を踏まないように、「マイナスの報告こそ速やかに行う」ということを徹底することです。 そのうえで、次の2のポイントを踏まえた報告ができると、一流の域に達することができます。 @ 「事実」ほきちんと伝える A 自分の「意見」を添える 事実と自分の推測をごちゃ混ぜに報告する人は意外に多いものです。その場をうまくやり過ごそうとして、つい、推測を交えてしまうわけです。 しかし、それでは、事実が正しく伝わらないばかりか、リーダーの判断を誤らせる元凶になります。 まず、「事実」をきちんと伝えることが報告の鉄則です。 そのうえで、自分の「意見」が添えられれば、あなたの報告も一流の域に達するでしょう。
「報告・連絡・相談」の中で、相談だけは非日常的な要素が強くなります。 報告とか連絡はその日の朝礼とか週報会とかの定例会で、あるいはそのつど、上司とオープンに行われているはずです。 ところが、相談だけは個別に会議室とか、打ち合わせスペースとか、時には社外の喫茶店などで行われているのではないでしょか。 このように、相談が個別なものであるために、「相談上手な人」と「相談下手な人」との間には、大きな差が生まれてしまうものです。 しかも、報告や連絡といったオープンなコミュニケーションの様式であるならば、上手な人のやり方を自分も模倣することができますが、元来がクローズな相談では、そのお手本に触れる機会というのもないのです。 ★ここでは、相談上手が大切にしている原則をご紹介します。 @ まず、「誰に、どのように相談するか」が一番重要です。 組織で生きる者としては、この「誰に」というところがポイントです。ベストアンサーを持っていない人に相談しても仕方ありません。場合によっては、逆効果になってしまうことさえあります。 特に、直属の上司がそうした人間である場合は少々やっかいです。できない上司に限って、メンツだけには敏感で嫉妬深いものです。 こういう場合には、秘密裏に相談することです。 A 次は、「どのように相談するか」ですが、相談には「解決策を添える」ことが鉄則です。 優秀な上司は、必ずと言っていいほど、「それで、○○君はどうしたいわけ?」と聞いてくるでしょう。その際に回答すべきことを準備しておくか否かで、将来の明暗が分かれる、そう言ってもいいくらいです。 上司としては、それについて「どのくらい深く考えているか」、「どのくらい自分のこととして当事者意識を持っているか」を確かめようという意図があります。 「どうしたいわけ?」というセリフには、部下がビジネスパーソンとしてどのくらいのレベルにあるか、を把握する口頭試問的な要素も含まれている、ということを知っておきましょう。
持って生まれた能力にかかわらず、誰でも心がけ次第で「一流になれる」コツがあります。その一つが「気を利かせる」ことです。 ★気を利かせるとは、「味方を増やす習慣」とも言えます。 気が利く人には、味方がどんどん増えていきますから、それだけチャンスをつかむ確立が高くなるわけです。 もっと現実的な話をすれば、気が利く人と、そうでない人との生涯賃金は、少なくても2倍は違ってきます。もはや、気を利かせることは、仕事上の有用なスキルであると認識すべきです。 逆に言えば、どんなに高学歴であったとしても、気が利かない人はチャンスをつかむことができず、「一流」のステージに立つこともできないでしょう。 つまり、高い偏差値のための勉強も、受験もそれらはすべて自分のため、いわば「利己」で完結した世界ですが、仕事はむしろ逆で「利他」の心がモノを言う世界です。 この転換に気がつかないと、結局チャンスすらつかめないことになります。 ★気を利かすということに、特別な才能は必要ありません。 ただ、目の前の人をよく観察して、どうすれば相手に喜んでもらえるかということを想像して、それを行動に移しさえすればいいのです。 たとえば、身近なところで言えば、上司の不安を取り除くというのは、もっとも有効な「ビジネス上の気遣い」といえるでしょう。 上司は部下に対して「しっかり仕事をしているかな」と心配しているものです。ですから、「こういうふうにやろうと思っている」などの連絡や報告が上司を安心させるコツなのです。 こうした気遣いは、今日からすぐにでも始められるのですから、やらない手はありません。 あなたがチャンスをつかむためには、ぜひ実践してみてください。
人間関係はすべて「挨拶」から始まるものです。 これは万国共通の大原則です。ですから、挨拶が上手にできない人は、それだけで仕事上の大きなハンディを背負っていると自覚すべきです。 「きちんと挨拶できない人に将来はない」 そう言っても、けっして言い過ぎではありません。 ★「たかが挨拶」ではなく、気持ちのいい挨拶ができるのは、一つの才能であり、自分を前に進める力、稼ぐ力の源にもなっているのです。 夫婦でも、「おはよう」「ありがとう」「おやすみ」という挨拶に気をつけている家庭のほうが離婚が少ないと、よく指摘もされているところです。 「当たり前のことを、当たり前にできない人」というのは、40代以降のキャリアが特に厳しくなるという現実を知ってください。 上司や取引先は、そのことを見ているのです。 ある上場企業の人事部長が、お客様を見送る際のお辞儀の美しさについて、自分の部下を絶賛したことがあるそうです。 その部下は、やや小太りな男性だったようですが、エレベーターホールでお辞儀をし、お客様を送り出すまでの一連の所作が、まるで舞踊のように柔らかで、美しかったというのです。 お辞儀に至るまでの一連の動作、お辞儀の角度、そして「間」、すべてが芸の領域と言ってもいいくらい、自然で美しかったということです。 ★自分を印象付ける武器は「帰り際の挨拶」にある、ということを覚えておくといいでしょう。 元気に挨拶する、礼儀正しく挨拶するというのは、自分の意識ですぐにでもできることです。心がけしだいで誰にでもできます。 挨拶というのは、いわば人間関係の最初の取っかかりです。ここでいい印象が与えられるかどうかは、あなたの将来を左右するくらいの影響力があるということを、改めて押さえておきましょう。
★「共感力」だけで、ビジネス偏差値は「プラス10点」加点されます。そう言っても大げさではないくらいに、企業の中では共感力が求められています。 共感力というのは、相手の立場に立って、行動やその底流にある考え方や感情を理解する力のことです。社内でも年次が上がるにつれ、共感力が評価の明暗を分ける中核要素になっていきます。 30代になると、社内ではリーダー的な役割が多くなり、早い人ではマネージャーに昇進して部下を育て、管理することが求められるようになります。 部下も優秀な人材ばかりではなく、いろいろなタイプがいますから、業績の振るわない部下に対して自分の視点で「お前はなんでできないんだ、俺がお前くらいの時には・・・」とやってしまうと、効果がないどころか、モチベーションを低下させてしまい、逆効果になってしまいます。 ★一番手っ取り早く「共感力」を高める方法は、「相手がそう言っている背景」を読み解くことです。キーワードは「背景」ということになります。 そこには日本語の持つ特殊性があるからです。日本語というのは言語学的には世界に類をみない超文脈依存言語とされています。 たとえば、ビジネス上で頻繁に使う「結構です」という言葉も、前後の文脈を慮らないと「YES」か「NO」かもわかりません。肯定しているのか否定しているのかさえわからない、非常に難解な言語なのです。 共感力がないというのは、空気(間)を読む力、文脈を読み解く力が未開発ということです。ここに的を絞ってトレーニングさえすれば、根っこが言葉ですから必ず普通レベルまでは到達します。 たとえば、あなたが一般社員のサービス部門である総務部に所属しているしたら、昼休みにはなれば、一般社員から電話での問い合わせが多くなるはずです。 そんなときに、あなたが「昼休みなのに・・・」と思うかどうかで、一流が二流かが決まるでしょう。 一般社員は、自分の仕事を片付けてから手の空いている昼休みに問い合わせをしたいと考えているものです。その空気が読めるかどうかです。 ★相手の言動の「背景」を推測する、そこを知ろうとすることによって共感力は磨かれます。もし共感力に課題を感じているのなら、そこから始めてみましょう。 |
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