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■1 「無理なお願い」をする前に「小さなお願い」をする 最初に簡単な要求を出しておいて、相手が「イエス」と言ったらハードルを上げていきます。 ★「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれる説得の方法で、これは小さな要求にこたえてしまうと、その後の要求が断りづらくなる心理を利用したものです。 たとえば、いつも忙しい上司に「企画書を作ったので、ご意見を伺いたいのですが」といきなり切り出しても、「いまは時間がない」と言われるかもしれません。しかし、「ちょっとよろしいですか」とか「1分だけお時間をください」といった小さな要求からはじめてみます。 その上で、「サッとでいいので、この企画書を見ていただきたいのですが」などと本題を切り出すのです。上司は一度イエスと言ってしまっているので、次の要求ものまざるを得なくなってしまうのです。 ■2 優柔不断な人に即決させたいときは、聞き方が大切 なかなか物事が決められない優柔不断な人に対して、「何にしましょうか」とか「どうお考えですか」などという漠然とした質問は禁物です。かといって、「こうしましょう」とこちらが言い切ってしまっては、相手の意向に沿わないこともあります。 ★こういう決断力のない人から答えを引き出したいときには「クローズド・クエスチョン」を活用することです。 AとBのどちらがいいか、と選択肢を提供するのです。二者択一、あるいはイエス・ノーで答えられる質問なら心理的な負担が少ないので、相手も答えやすくなります。 セールスの場でも、「どういったものをお探しですか」という質問より、「色は赤と青のどちらがよろしいですか」といったクローズド・クエスチョンを積み重ねていきますと、相手のニーズをより的確につかむことができます。 ■3 罪悪感に訴えて頼みごとを聞いてもらう ★最初にとても受け入れられない大きな要求をしておいて、断られたらもっと小さな頼みごとをする「ドア・イン・ザ・フェイス」という交渉テクニックがあります。 これは一度断ってしまった人は、多少なりとも罪悪感を覚えるために、次に出された小さな要求にOKをしてしまうという心理をついたものです。この場合、最初にわざと断らせるのがポイントで、本当に頼みたいのはあとから出した要求です。 たとえば、部下にプレゼンテーション用の資料を集めてほしいときにも、はじめは負担が大きい企画書の作成を頼みます。そして、その部下が自分には無理だと断ったらハードルを下げて、「じゃあ、資料だけでも集めてくれないかな」と言えば、罪悪感を抱いている部下は「そのくらいなら・・・」と引き受けてしまうものです。 ただし、断ると思っていた最初の要求を部下が了承してしまったら、協力スタッフをつけたり、こまめにアドバイスを与えるなど、その後のフォローを忘れないことです。 ■4 なぜか好結果につながる「ビジネスランチの法則」とは おいしいものを食べているときには、リラックスした分になり、相手を受け入れやすい傾向があります。また、そのときに同席した人物と交わした会話も、好印象とともに心に刻まれやすいです。 ★接待やビジネスランチは、こうした効果を狙ったもので「ランチョン・テクニック」と呼ばれていま す。 商談などを成立させたいのであれば、堅苦しい会議室などで交渉するより食事をしながらのほうが互いの緊張感も解けて好結果が期待できます。 これは食事に限った話ではありません。上司や部下とお茶やコーヒーを飲みながら、あるいはちょっとした菓子をつまみながら会話するだけで、よりよい人間関係を築くことができるのです。 ■5 あえてマイナス情報を伝えたほうが相手に信頼されやすい 相手に対してプラスの情報だけを伝える方法を「一面提示」といい、プラスとマイナスの両方を伝えることを「両面提示」といいます。 ★マイナス情報を提示するのは一見リスクがあるように見えますが、説得するには両面提示のほうが効果的です。欠点まで開示することで誠実さをアピールすることができるため、信頼を得やすいのです。 たとえば、「こちらの製品にはこの機能がついていませんが、その分価格が安くなっています」とか、「このプランは若干コストが上がりますが、製造期間が短縮できるので人件費は削減できます」というように、デメリットを示しながらもメリット伝えるのです。 最初からデメリットが示されていれば、あとになって不満が噴出することもなくなり、相手の満足度もアップするのです。 ■6 会議で一番注目される発言のベストタイミングとは 交渉を優位に運びたい、自分の主張を通したいといったときには、「最初の沈黙」がチャンスです。シーンとした会議で真っ先に発言するのは勇気のいることですが、それだけに注目されるし、積極的なイメージを与えることができます。 ★人間は最初に与えられた情報と、最後に提供された情報が記憶に残りやすいものです。 とくに、最初に提示された意見や情報は、それ以後の情報よりも強く訴えかける「初頭効果」を持っています。 つまり、会議では最初に発言したほうが、周囲の人間に与えるインパクトが強くなり、アピール度も上がるのです。 ■7 話をまじめに聞いていることをアピールする 相手が一生懸命に話を聞いてくれると、いやな気はしないものです。ということは、相手に興味を持ってもらいたい、商談を有利に進めたいと思ったら、「私はあなたの話をしっかり聞いていますよ」ということを態度で示せばいいのです。 ★その気持ちがもっとも相手に伝わるのが、メモをとることです。 必ずしも話の内容に興味がなくてもいいのです。メモをとる行為からは、しっかり聞いているという真剣さだけでなく、「あなたに興味がある」という気持ちをストレートに伝えることができます。 ■8 何度も営業に行って顔を見せるといい セールスでは、相手先に何度も足を運んだりしていると、しつこいヤツだと嫌われそうに思われますが、必ずしもそうではありません。 ★人間には、「何度も繰り返して接すると、好感度が高まり、印象がよくなる」という性質があります。 たとえばテレビCMで特定の商品を何度も目にすると、最初は欲しくなかった商品がしだいにすばらしいものに思え、やがてどうしても欲しくなってしまうものです。 これはまさに「接触」を繰り返すことによって、自分でも気づかないうちに好ましい印象を抱くようになっているからです。 ■9 相手の警戒心が一瞬でほどける視線の合わせ方 相手の目を見て話すのは、信頼関係を築く上での礼儀のようなものです。 しかし、視線をまったくそらさず、凝視するのも窮屈で話しにくいものです。あなたもじっと見つめられながら話をされたら、しだいに落ち着かない気分になるでしょう。 ★それと同じで、相手に警戒心を抱かせないためには、うまく視線をそらすことがポイントです。 うなずくタイミングで視線をそらしたり、目線を上下に動かしたりしてみましょう。 適度に視線をそらしたり合わせたりして、相手が気持ちよく話せる環境をつくるのが賢明です。 ■10 信頼関係を築くためには、どんな話題を選べばいい 信頼してもらいたいときには、つい自分がいい人間であることをアピールしたくなるものです。だからといって、かえって自慢話のよう聞こえてしまっても感じが悪いし、逆にへりくだって自分を過小評価するのもよくありません。 ★そんなときは、「自分の失敗談」を話題にするのがいいでしょう。 失敗談なら無理なくありのままの自分を伝えることができるうえ、相手も「あなたがそこまで話してくれたなら私も」ということで、お互いに飾らない話ができるようになります。 これを「自己開示」の効果といい、こうした話題がお互いの信頼関係を高めるきっかけになるのです。 ■11 話をうまくまとめたいのなら、相手の右側に立つ たとえば商談やセールスの場合、つい相手の真正面に立ってしまいがちです。 正々堂々と正面から交渉したい気持ちもわかりますが、これでは相手に警戒心をもたれてしまいます。 ★交渉するときのベストポジションは、相手の右側が正解です。 なぜなら、大部分の人が右利きだからです。利き手はすぐに動かせるし腕力もあります。だから、聞き手の側に立てば、「何かあったときにすぐに対応できる」という安心感を相手に与えられ、よりリラックスしてもらえるわけです。 だいいち、利き手のほうが差し出されたカタログなどを受け取りやすいです。そういう意味でも右手側のほうが好都合なのです。もちろん、相手が左利きの場合は、この逆です。 ⇒続きはこちら |
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