|
上司が上の役職から叱責されたときの返し文句や、あるいは、上司の部下に対する叱り方や接し方などを観察していると、それぞれ癖があって、上司の本音や深層心理が分かります。 ★仕事のできる男なら、まずは、上司の癖やしゃべり方などで、上司の本音・本質・本性を知ることが大切です。
■上司の本性・性格@:上司に叱責されたときの返し文句でわかる 仕事でミスや大きな失敗をしたときなど、上司から怒られることがありますが、そのような場合、とっさに次のようなセリフで言い返すことがありませんか。 ★「しっかり部下を指導していたのに、私の指示に従わずにミスをしたのです」 こんな言い訳をする癖のある人は、すべての責任を部下に押し付けることに何のためらいもなく、自分には責任がないと突っ張ってしまうタイプです。 非常に自己中心的で、身勝手な性格で、自分の理論で上司にさえ反抗することがあります。 こういう人と一緒に仕事をすることは避けるのがよく、たとえ仕事がうまくいっても、すべての仕事の成果を自分の能力のように吹聴する癖があります。 ★「すみません、わたしの段取りが悪くてミスをしてしまいました。私の責任です」 こういう返答をする人は、責任感が強いため、自分に関連しておきたことは、すべて自分の責任だと感じてしまう性格です。 言い訳をしないことは、潔いことではありますが、その分、ストレスがたまりやすく、やや明るさがなく消極的な性格です。 ★「頑張った結果、こういう結果になったのだから、仕方がないでしょう」 これは責任逃れというよりも、だれの責任でもないことを主張しているものであり、ことなかれ主義者といえそうです。 ただ、周囲に気を使っているのは間違いないでしょうが、強い責任感と最後までやり抜く根性に乏しく、大きな仕事はできない人です。 ■上司の本性・性格A:部下に対する叱り方でわかる ここでは、部下に対する叱り方でどのような本性や心理が潜んでいるのかを検証してみましょう。 ★何かの拍子でキレやすい癖のある人 ふだんは大人しく物静かな人であるのに、自分の意に染まぬことがあると、急に激怒して怒りを爆発させてしまう性格の人がいますが、深層心理には、真面目で我慢強いところがあるのです。 ただ、自分のキャパシティーを超えてストレスが溜まってしまうと、急に怒りだす本性が出たり、あるいはいつまでもグチや小言が続くこともあります。 もともと欲求不満やストレスの解消ができず、人とのつき合いも下手なため、不満や怒りを内部にため込んで、一気に吐き出してしまうのです。 酒を飲んで怒り上戸になる人も同様です。 ★怒り方にセオリーや癖がない人 同じようなミスをしても、そのときの気分次第で怒りだしたり、あるいは何も言わずに見過ごしたりする人がいませんか。もちろん、男性なら、女性に甘くなるのは仕方ありませんが。 そのときの状況で怒ったり見過ごしたりしているのは、自分の深層心理の中に明確な価値基準がないことと気分屋であることが原因です。気分の良いときには、人生がバラ色に見えており、気分がすぐれないときは、すべてに腹立たしくなっているのです。 こういう人は、なんの悪気もないですが、性格的には感情の起伏が大きく、憎めない一面もあります。 ★ちょっとしたミスを執拗に責める癖のある人 些細なミスでも逃さないで、ミスをした原因をこと細かに説明をしながら、理路整然と責めてくる人がいますが、やや完璧主義者で鷹揚としたところのない性格です。 人を見る目や観察眼は優れているのでしょうが、包容力がないうえ、しつこさが前面に出やすいのです。 反面では、気の弱さもあって、自分の言動が相手に嫌な印象を与えないか気に病む面もあり、叱ったことを後悔していることも。 ■上司の本性・性格B:部下を叱るときの「目線」で分かる ここでは、上司の叱り方、怒り方によって、どういう性格をしているのかを検証してみましょう。 ★上司が上から目線で叱るときの心理・性格 上から目線で叱りつけてくる上司は、上下関係が厳しい人で、上司と部下の立場を明確にして、職務命令的な口調で屈服させようとするでしょう。 非常に権威を重んじ、絶対的な権限で従わせようとします。 こういう上司は、逆の立場の人に対して弱く、自分より上の上司に対しては、低姿勢で服従の姿勢を示します。できるだけ横柄な態度を取って、大勢の部下を持ちたいと考える人ですので、出世意欲は相当強いでしょう。 部下の仕事の成果は、自分の手柄にする人です。 ★上司が下から目線で叱るときの心理・性格 下から目線は、自分は席についたまま、相手を立たして怒るような状態ですか、学校の先生が生徒を叱るような場合と同じ姿勢です。 一見、穏やかな感じを受けますが、上下関係があまにも明確なため、上から目線で怒鳴ることもなく、たんたんとした口調で話します。 ですが、自分の地位は絶対ですので、相手の意見や弁明などは一切受け付けず、部下は一人前ではないという考えです。 ★叱られる側と同じ目線で叱るときの上司の心理・性格 お互いに座ったまま、あるいは立ったままの状態で、叱るわけです。 こういう上司は、上下関係で相手を屈服させようと思っているわけではなく、年上が年下を叱るという関係でもなく、仕事をする仲間として接しているため、お互いにひとりの人間として向き合って叱ります。 相手の評価も地位ではなく、実績や実力で評価する傾向があり、誰に対しても対等に向き合うため、理不尽な叱り方をしないし、叱られる方も納得しやすいので、上司としては最も部下に好かれるタイプです。 ■上司の本性・性格C:上司の部下の接し方や立ち位置でわかる ここでは、上司の部下に対する叱り方の態度で、部下の親近感や上司の性格・心理を探ってみましょう。 ★上司が立って部下を座らせて叱る癖は 上下関係を強く意識し、地位の力で相手を屈服させようとするタイプですので、自然と見下ろすようになるのです。 権威主義的で、目下の人間には強圧的な態度をとりますが、目上の人には極端に弱く、単純明快な出世主義者で、手段を選ばず上を目指す人です。 部下に力があると分かれば、仕事を任せてくれますが、その成果をすべて独り占めににされる可能性もありますから、注意が必要です。 ★自分がイスに座り、部下もイスに座らせる癖のある上司は 地位や上下関係に関係なく、互いに同じ目線で話をすることになり、つまり、自分と同じ仕事を担う仲間の一員として部下に対応しようとしている人です。 地位ではなく実力で部下を評価します。自分の実力に自信があるため、自分を高みにおいたり、偉そうにするする必要などさらさら感じないのです。 部下が他の誰かから理不尽な扱いや評価を受けた場合、きっと力ににってくれるでしょう。 これは、応接セットなどに部下を座らせ、上司も座って叱るときも同様に同じ目線で話すことを心がけています。 ★自分は座り部下を立たせる癖のある上司は 学校の先生などが生徒を叱るときによく見かける光景ですが、自分と部下との差は大きく絶対的なものとして意識しているので、部下の反論に耳を傾けることはなく、一方的に自分の意見を伝えるだけです。 ■上司の本性・性格D:部下に対する厳しさで分かる 厳しさとは優しさの裏返しだということを言う人もいますが、たしかにそう思える場合もありますが、逆に厳しいだけで何の優しさも感じられない場合もあります。 人間は、優しさに裏打ちされた厳しさには耐えられますが、厳しいだけの人間には心理的になかなか従えないものです。優しさは強要されるものではなく、自然に感じられるものだからです。 よく、どこの組織でも、厳しい上司がいるものですが、優しさに裏打ちされた上司にはお目にかかれないのが普通です。ほとんどが自分の非がないように、保身にのみ走っているというのが本性や本音だからです。 だいたいは厳しい接し方の上司の性格には、三通りあります。 ★この仕事は徹夜してでもやってくれと指示を出す上司 ひとつは、「この仕事は徹夜してでもやってくれ」と指示を出す上司ですが、これは組織上緊急性があるのであれば、この厳しさはやさしさうんぬんとは関係なく、仕方ないことでしょう。 ★至急企画書を練り直せと指示を出す上司 二つ目は、「この企画書には新規なアイディアが一つも含まれていないので、至急企画書を練り直せ」という上司ですが、これはある意味では、仕事を教えようとしている姿勢があるので、部下を育ててやろうという心理が潜んでいます。 ★何も理由を説明せずにやり直せと指示を出す上司 最後は、理由を明確にせずに、「この企画書ではダメだ。こんな出来栄えでは役員に説明できないよ、もう一回、再考だ」などと、いい加減なことを指示する上司です。 こういう上司の性格や本性は、じつは自分の保身しか考えていないので、優秀な部下の芽を摘み取るだけが目的みたいなものです。頭ごなしに言われたら、やる気をなくして、いくら優秀な部下でも本来の実力が発揮できません。 要は、大切な指示が出せずに、たんにやり直せというような上司は、自分に仕事の能力がないことを表明しているようなもので、自分の権限を見せ付けているだけです。 ■上司の本性・性格E:上司の悪口を言うことでわかる どこの企業でも中間管理職というのは、つらいもので、上からと下からの突き上げで、ストレスを抱えるものです。 課長からは「もっと部下の尻を叩いて、業績を伸ばすようにしてくれ」と尻を叩かれ、部下からは「課長の考え方にはついていけませんよ。もう少し、課長を説得してください。これだけみんな頑張っているのに休みがないんですよ」と突き上げにあう。 両者の板ばさみとなって苦しい思いをしているのが、各企業の中間管理職ではないでしょうか。 どの世界でも、人の上に立てば、下から悪口を言われるのは仕方ないもので、あなただって親しい仲間と居酒屋に行けば、上司の悪口を好き放題言っているでしょう。 悪口は本音で上司を嫌っているのか? ただ、飲み屋に集まれば、上司の悪口に花が咲くものですが、それでは実際に言うほど本音として上司を嫌っているのかといえば、そんなことはありません。 ★悪口は自分を適正に評価してくれという不満 上司の悪口を言うのは、「自分の業績を公平に評価していない」とか、「今の職種に不満がある」とか、「同期なのになぜ自分のボーナスのほうが少ないのか」ということに不満があっても、それを直接言うことができないため、上司の批判に向かってしまうのが本音です。 本当は、「課長よりもオレのほうが仕事はできるんだ」などと言いたいのですが、仲間のいる前で、そんなことは言えず、そのため、上司を悪くいうことで、満たされない欲求を一時的に解消しているのです。 いずれにしても、サラリーマンが上司を批判するのは、上司を心から毛嫌いしているわけではなく、自分を適正に評価してもらいたいという本音があるので、上司の悪口を言っていることが多いものです。 ■上司の本性・性格F:上司が相づちをよく打つことでわかる やる気を起こさせようとして説教すると、「はいっ、はいっ」と、返事をするくせにまったく言うことを聞かない人がいます。 あなたに対し強い反感を持っている可能性もあります。 うなずきや相づちは、こちらの話に興味を持っていたり、真剣に聞いている証拠だとされます。しかし、その逆の気持ちを表しているケースもありますので、注意が必要です。 ここでは、相槌をよく打つ人の心理について探ってみましょう。 ★相槌のよく打つ人の事例 あなたが前日に行われた取引先との交渉を上司に報告したとしましょう。 それを聞きながら上司は次のように言いました。 「課長さんが新規取引も可能といってくれたんだ、ええ。大したものだ。うん、やはり難しい交渉ごとはキミに頼むにかぎるね、ええ、ええ」 こんな調子で、話の間に「ええ」とか「うん」を入れて、相づちを打ったとします。 このように「繰り返す」、あるいは「うなずく」「相づちを打つ」という動作には相手をリラックスさせる効果があり、心理学の世界では「受容」と言われています。 ★相槌には同意ではなく、逆の意味がある この場合も、あなたの話に耳を傾け、同意しているように聞こえますが、実は、このなにげなく挿入されている「ええ」「うん」には、まったく逆の意味が含まれていることがあるのです。 この相づちを真に受けて、「オレは上司に信頼されている」「この商談はうまくいったも同然」などと考えていると、とんでもないしっぺ返しを食らうことにもなりかねません。 なぜなら、こんな相づちの打ち方をする人は、自分の考え方や意見だけが正しいと信じ込んでいる自己執着型が多いからです。しかも、このタイプは相手の話に心から感心したり、同意することはまずありません。 ★相槌の「ええ」や「うん」は否定のシグナル つまり、先方の課長が「新規取引も可能」と言ったことは実現されないと思っているし、「交渉ごとはキミに頼むにかぎる」とも思っていないでしょう。 それどころか、あなたの報告を「若造の幼稚な交渉」くらいに考え、報告を早く打ち切ってもらいたいと思っているかもしれません。 「ええ」という相づちは、「そうなんですか」「なるほど」などとは違い、否定のシグナルと考えるべきときもあるのです。 ちなみに、優秀な専門家の研究者は、自説を曲げてまで世に受け入れられようとは考えていないため、こんな否定の相づちを打つ傾向がありますから、対応にはとくに注意が必要でしょう。 |
|
|||||||||||
Copyright (C)2015. 仕事のできる男・できない男との違い All rights reserved. |