|
■結論を出すのが早い人 ★仕事のできる人は、「見切り」ができる人であり、今やるべきこと、今やらざるべきことが理解できる人です。 「見切り」とは、これまで注ぎ込んできた資金や時間や努力、あるいは手にするであろう利益のいっさいを捨て去ることです。 継続することに危惧を感じたならば迷わず見切ることです。これが会社も社員も伸びるコツです。 かつてバブル期に多くの企業が「土地転がし」で濡れ手で粟の大儲けをしましたが、見切ることができず、結局、バブル崩壊で倒産しました。会社も社員も、根拠のない「あともう少し」という欲が墓穴を掘ることになるのです。 ■短所を武器にできる人 一般的に、ビジネスの世界では「あきらめの早い人」という評価は、「あいつは使えない」といわれているのと同じです。 なぜなら、ビジネスでは、粘りに粘って成功を勝ち取ることこそ賞賛されるからです。「やりました。ダメでした」では、根性のない落ちこぼれ社員というわけです。 なぜなら、これまでは経済が右肩上がりでしたから、粘ればなんとかなりましたが、経済成長というパイがどんどん膨らんでいたわけですから、粘り強さはたしかに力を発揮したはずです。 ですが、グローバル経済という未体験ゾーンでは、価値観も多様化して、「仕事のできる人」という定義も大きく変わってきています。 ★むしろ、「一つのことがダメだったら、すぐ次の手を打つ」といった機転の早さ、発想の豊かさは大きな武器になるはずです。 ■欠点を直そうと無駄な努力をしない人 人間、30歳を過ぎたら、性格はなかなか変えられるものではありません。 たとえば、「あきらめの早い人」は、どんなに努力しても「粘り強い人」に変身することは不可能に近いでしょう。 真面目な社員ほど欠点を直そうと努力するものですが、変わらないものを変えようと努力するのは愚かなことで、そんなことに時間を費やしていたのでは、いい仕事などできるわけがありません。 ですから、欠点は放っておいて、それをプラスにして伸ばす努力をすることが先決なのです。 短所と長所は表裏の関係にあるから、「あきらめの早い」ということは「切り替えが早い」ということでもあります。 ★切り替えが早ければ、失敗が尾を引かず、柔軟な発想や対応をすることができるわけです。 ■可能性の低いことに挑戦する人 「やるか、やらないか」ということは、ビジネスにおける決断は、基本的にこの二者択一であります。 では、判断の基準はどうかといえば、常識的には「採算」と「成功率」ですが、たとえ成功率が10パーセントしかなくても決断すべきときがあるものです。こうした決断こそ、ベンチャービジネスの生きる道だからです。 どんな業界でも、全体の中で、誰も手がけていない「隙」があるもので、その「隙」はニーズがないからか、あるいは、それを実行できるテクノロジーがないのか、その理由はいろいろあるにしても、その「隙」に挑戦することは大切なことです。 ★果敢に決断して失敗することもあるでしょうが、ビジネスマンとして大志を抱くなら、リスクを避けた成功はあり得ないということを知っておくべきです。 やる価値があると判断したら、成功の可能性が低くても挑戦する、こういう人が「仕事のできる人」になっていくものです。 ■大風呂敷を広げる人 決断が速いといわれる人には、「ほら吹き」が多いようです。 本人はそうと意識していないかもしれませんが、決断の速い人は、まず「大風呂敷」を広げ、そのあとでどうやるかを考えることが多いものです。 逆を言えば、どうやるか細部まで考えず、著間で判断を下すから、決断が速くなるということでもあります。 ★大風呂敷を広げる人は、つい、しんどいことを引き受けてしまい、後で後悔することも多いでしょうが、そのことが逆に自らを発奮させ、努力することに通じ、成功を導くのです。 ■その場で決断できる人 ★どちらに決めるか、重要な決断をするときには、常に責任がついて回りますので、それだけの器量が必要です。 決断を社内に待ちかえって検討するといえば、責任回避はできるでしょうが、それでは現場の士気は高まらないはずです。 では、正確、かつ迅速に決断するにはどうしたらいいのでしょうか。 それには、仕事の状況をつねにシミュレーションする習慣を身につけることです。取り組んでいるテーマに対して、「条件がAであるなら、結論はB」「条件がCであるなら、結論はD」というように、いろいろな場面を絶えず頭でシミュレーションしておくことが、決断の速さになって現れるのです。 決断の速さを、あたかも「ひらめき」であるかのように思っている人もいますが、これはまったくの誤解です。決断とは、綿密なマーケティングの賜物なのです。 ■デジタル発想の人 ★ビジネスは結果がすべてで、過程は問われません。 不眠不休の努力も成果に結びつかなければ敗者であり、反対に寝転がっていても成功すれば勝者です。 過程の努力が褒められるのは子どもの世界の話であって、それをアピールするのは単なる甘えに過ぎません。そして、課程も評価の対象と考えるのが「アナログ発想」で、結果だけがすべて考えるのが「デジタル発想」です。 時計のようにアナログは経過を表示しますが、デジタルは結果のみを表示されるものです。 デジタル発想にするには、なにごとにおいても自分なりの「基準値」を決めておくことです。 たとえば、「5対5ならノーと言おう」「7対3ならイエスと言おう」と決めておき、それを決断の基準にするのです。 ■分け隔てなく人と接する人 魚は雑魚ほど群れたがるもので、メダカしかり、イワシしかり、アジしかり。 ですが、タイやヒラメなどは決して群れず、悠々と泳いでいます。 群れを作らないということは、ほかの魚たちと分け隔てなく共生していることであり、群れるということは、ほかの魚を排除するということにほかなりません。 ★ビジネスも同じで、誰とでも分け隔てなく接することのできる人は、ビジネス界でいろいろなタイプの人と共生しているわけで、より多くの情報を得ることができます。 これに対して群れる社員は、排他的な人間で、情報量が少なく、かつ偏ったものになります。 わけ隔てなく接するのは、八方美人とは違い、確固たる自分の意見と哲学を持ち、相手にそれを伝え、また、相手の意見や哲学を認めたうえで付き合おうとすることです。 妥協ではなく、尊重して、認め合うことです。 ■部下を信じることのできる人 部下にとらせたコピーを、枚数が合っているかどうか、確認する人がいます。完全主義を期すのでしょうが、ほかにやるべき仕事があるだろうに、ご苦労なことです。「完全主義者に仕事のできる上司なし」です。 なぜなら、完全主義者は仕事を人に任せられないため、一人で仕事を抱え込んでしまい、皮肉にも完全とは程遠い結果に終わってしまうことが多いからです。 ★ただ、人に任せるには度胸がいるもので、この度胸とは、仕事を任せた同僚や部下を無条件で信じるという度胸であり、信じたい上は、任せた人間が失敗しても、みずから責任を取るといった意味での度胸です。 じぶんでやらなければ気がすまない完全主義者とは、この度胸のない者のことを言います。人に仕事を任せられない人は、リーダーにはなれないのです。 ■どんなことでも口を出す人 日本では講演会にしても会社の会議にしても、最後に質問を受け付けていても、あまり活発な議論はないことが多いです。これは「こんな意見を言って、みんなにバカにされるかもしれない」などという周囲の目に対する気遣いのせいでしょう。 ★しかし、いい仕事をしようと思うなら、沈黙は絶対ダメです。 どんなテーマでも積極的に発言して自分をアピールするべきです。 的を射ていようがピント外れだろうとかまうことはなく、とにかく、人前で発言するクセをつけておきことです。そうすれば、「へたな鉄砲も数撃ちゃ当たる」で、1回ぐらいはツボにはまることもあるでしょう。 逆にこのクセをつけておかないと、いいアイデアがひらめいても、いざ発言しようとしても、自分をアピールするクセがついていないので、なかなかうまく説明できないものです。 ■小さなミスにもビクビクする人 大きな失敗をする人にはひとつ、共通項があり、それは小さなミスを見逃しているというものです。 ★小さなミスはすべて、それが大きな失敗に直結しているものです。 だから、小さなミスにもすぐビクビクする人は、必ずいい仕事をする。なぜなら、危険を察知するセンサーが鋭いからです。 雨の一滴が水溜りをつくり、それを源流としてやがて大河になります。アマゾン川もガンジス川も、その源流をたどればチョロチョロと流れる小川にすぎません。 ビジネスの失敗もこれと同じで、失敗の源流は、まさかと思うような些細なミスなのです。 ビジネスにリスクはつきものである以上、ミスは必要経費のようなものですから、一度目のミスはたいてい大目に見てもらえるはずです。ですが、同じミスを何度も繰り返すようなら、ビジネスマンとしての前途は暗いと覚悟していたほうがいいでしょう。 ■感激して顔に表情が出る人 最近の若い人は表情が乏しいといわれていますが、失敗しても落ち込まない代わりに、成功してもはしゃぐことなく、つまりクールなのです。 喜怒哀楽を表に出すことを推奨するわけではありませんが、根っから冷めた人は、まず「仕事ができない」と思っていいでしょう。人生に、そして仕事に目標がないから感激もないのです。目標のない人に、いい仕事ができるわけがありません。 ★感激しない人、感情を表に出さない人、クールな人は、生きがいや、なぜこの世に生まれてきたのか、といった人生の目的意識がないのです。 これからの時代は、そんなスケールの小さいことではダメです。少々のトラブルや成功に一喜一憂しないといえば聞こえはいいですが、それは鈍感といったほうがいいでしょう。 |
|
||||||||||||||||
Copyright (C)2015. 仕事のできる男・できない男との違い All rights reserved. |