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人間の力関係は目で決まります。その人の強さは、目で測られます。 これは多くの人が実感していることではないでしょうか。 たとえば、商談で相手から目をそらすと、確実に負けます。心理戦に敗れ、譲歩することになるでしょう。 なぜなら、目をそらすのは敗北のサインなのです。犬やネコのケンカを見ていてもわかるように、負けるのは必ず「先に目をそらしたほう」なのです。 人気の占い師が相手の目をじっと見るのも、ここに理由があります。 ああやって穴があくほど目を見つめられると、相談者は思わず視線をそらしてしまいます。子の時点で、もう勝負は決まってしまったようなものです。相談者は占い師のことを「すごい人だ」「この人は本物に違いない」と思うようになります。そして占い師の言うことを、すべて信じきってしまうのです。 もしも占い師が目をそらしてしまったら、ほとんどの相談者は怪しいと思って、信用しなくなるはずです。まさに正当性、専門性、信頼性を疑われるわけです。 それでは、どうすれば相手の目をじっと見つめることができるのでしょうか。 目をそらさずにいるコツはなんなんでしょうか。 正解は「相手の目をみないこと」です。 はっきり言って、相手の目をじっと見ていられる人なんていません。 緊張したり、照れてしまったり、気まずくなったりして思わず目をそらしてしまいます。それこそ一触即発のケンカでもしない限り、相手の目を見続けることなどできないのです。 ならば、目を見なければいいのです。 目を見ているフリをして、相手の眉間のあたりを凝視するのです。 心理学ではこれを「サイクロップス・テクニック」といいます。 眉間のあたりを見ていれば視線のイチはほとんど変わらないので、相手は「目を見られている」と感じます。そして実際にやってみればわかるはずですが、これならどれだけ凝視しようと緊張することはないでしょう。 そしてサイクロップス・テクニックは、商談のような交渉ごとだけでなく、上司に叱られているときにも有効です。 どんなに叱られても下を向いたりせず、相手の眉間を見ます。思わず上司のほうが目をそらすくらい、じっと見つめます。 そうすれば、上司のほうもなんとなく気後れしてしまって、あまり厳しいことは言えなくなります。「怒る/怒られる」という力関係が、逆転してしまうのです。 そして説教が終わったころには「あいつは肝が据わっている」「なかなか見どころがあるヤツだ」という高評価に変わっているはずです。怒られながらにして大物との評価を得る、裏テクニックです。
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